木工好きは椅子を作ってしまう生き物です。知らんけど。緻密な猫足。背もたれの湾曲。座面の滑らかさ。憧れます。僕も例外なく椅子作りへの欲求が爆発していました。いざ調べてみると、技術的な壁に挫折しました。素人考えが通用したら、この世に職人は要りません。それでも椅子作りがしたい僕は『スツール』を作る事にしました。かつて作ったスツールは直角直線のデザインでした。今回は角度のついた脚、それも円柱で作る計画を立てます。後に、安易な決断だったと頭を抱える事になります。円柱を作る道具であるカンナを仕込む技術が無かったのです。倉庫から父のお古のカンナを引っ張り出して、ずいぶん四苦八苦しました。やっと木をむしり取る程度のカンナを仕込めた時は、それだけで感動ものでした。 感動したのも束の間、手作業で均等な丸棒を4本作る。無理な話です。そこで知恵を振り絞り、ベルトサンダー(電動ヤスリ)で円柱に加工するという、なんとも強引な技を編み出します。ベルトサンダーによる『なぐり加工』の爆誕です。強引に脚を加工し、次は天盤作りに入ります。以前トレーを作った経験が生き、はぎ合わせ作業は容易でした。唯一の成長点です。苦労したのは、座面裏の丸ホゾ加工でした。角度と方向を均等に加工するのは計算からなにから難しすぎて吐きそうでした。この時、道具があろうと使い手が習熟していなけば無意味だと吐きながら悟ります。緻密な猫足。背もたれの湾曲。座面の滑らかさ。には程遠い……仕上がりは兎も角、達成感から愛着が湧くのは、やはり親バカなのでしょう。母親で人体実験を行いましたが、ひと一人くらいでしたら耐えられる強度は出てくれたみたいです。次回は反省点を活かした、リベンジスツール作りです。※このブログは、過去の記録を再編集したものです。