「1枚板で4分割できるトレーを作って!」とのご依頼。なかなかオシャレなオーダーに面喰いつつ、インターネット上で参考資料を探しました。なるほど確かに、一枚板のトレーはなかなか見当たりません。単純に同じ材料が2つとないわけで、売るにも買うにも少しハードルが高いのでしょうね。という事で、値段もお手頃、食器としても安全に使えて、臭いや油やら問題なさそうな『オニグルミ』の1枚板を購入してきました。構想が膨らみご機嫌にマステを貼っているこの直後、このオーダーが『鬼難しい』事を知ります。左右に耳(木の白い所)があるため直角を測定する基準が無く、また表面はうねるようなおぞましい反りがあり。この時精度が出せる工具らしい工具は『丸鋸』だけで、それに加えて生まれて初めて『寄木』に挑戦しようとする圧倒的無謀っぷり。なにより材料はたったの一つで失敗できないプレッシャー。無知で浅はかすぎる自分に絶句したのを覚えています。「えぇいっ!」と己を鼓舞しながら丸鋸を振り回し、ヤスリをかけたのを最後に、記憶を失いました。気が付いたら、トレーは出来上がっており、右腕は〇んでいました(ヤスリ掛けで)最後にクルミオイルでオイルフィニッシュをしながら、このオーダーがくれたものは苦難と言う経験だったのだと悟り(浅はか)を開きました。後日ご依頼者の様のご自宅にお招きいただいた際、トレーとしてお出しいただきました。有難い事です。※このブログは、過去の記録を再編集したものです。